「忍者武芸帳 影丸伝」の思い出

 



  「忍者武芸帳 影丸伝」白土三平作は1959年(昭和34年)から1962年(昭和37年)に出版された全17巻の大歴史絵巻である。これは貸本屋向け専用に出版されており、一般には販売していなかった。

当時商店街には必ず「貸本屋」というのが有り、父親も私もよく利用したものだ。

確か10円とか20円で何日間か借りられたような気がする。いつの間にか「貸本屋」は姿を消してしまった。

私が初めて「忍者武芸帳」を読んだのは小学校4年生か5年生の頃だと思う。

友人に奨められて貸本屋で借りて読み始めた。私も友人も内容はあまり理解できなかったのではないかと思う。

 ただ登場人物の個性、武士や忍者の活劇、農民一揆、残酷さ、ほのかなエロスを楽しんで読んでいたような気がする。

この本は人気があり、巻が進むと貸出中が多くなり、貸本屋のおばあさんに予約をして借りることも多かった。

 私はこの本にはまり、中学生になっても、高校生になっても、成人してからも何度も読み返した。

だんだん内容も理解できるようになり、支配者と被支配者が対立する「唯物史観漫画」と言われる理由もわかった。

この間小学館から何度か復刻版が出ている。私は当然全巻揃えて持っている。

同時に白土三平の大ファンになり、「サスケ」「カムイ伝」第一部、第二部「カムイ外伝」と読みあさった。

「忍者武芸帳」は1967年に大島渚監督で映画化され、静止画という手法をとった。  忍者武芸長 予告編

「カムイ外伝」は2009年、崔洋一監督で映画化された。 カムイ外伝 予告編

 

概要 wikipediaによる)

『忍者武芸帳 影丸伝』(にんじゃぶげいちょう かげまるでん)は、永禄年間から本能寺の変後の天正年間に至る間の、

大名・武家や僧侶といった支配者層と農民・地侍たち被支配者層との間に起きる土一揆・一向一揆、大名同士による

戦争・調略、暗躍する忍者など、壮大な歴史群像を描いた劇画である。

 

ストーリー wikipediaによる)

永禄3年(1560年)、最上義光と通じた坂上主膳により出羽国伏影城が乗っ取られた。

城主の一子・結城重太郎は父の仇・主膳を討つため復讐の旅に出る。

重太郎はその過程で謎の忍者・影丸、無風道人、といった人々に助けられ、明美との恋を経て成長していく。

主膳は影丸の指揮する農民一揆により城を失い、自らの野望を叶えるべく上方に上るが、明智光秀の影武者となる。

影丸は各地で一揆を指導し、支配地域を拡大し農民への支配を強めつつあった織田家との対決のため上方へと

戦線を拡大していく。一方、将軍・足利義輝暗殺や北畠具教暗殺など権力者による陰謀の影で無風道人は暗躍する。

織田家と各大名・一向宗・農民との戦いは苛烈を極め、戦国は終息へと向かいつつあった。

 


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