あはれ初恋
今日はほんとにいいお天気でした。
一人息子は部活で演劇コンクールに。
久しぶりに妻と美味い蕎麦を喰いました。
帰りがけに空を仰いで思ったのです。
あはれ花びらながれ をみなごに花びらながれ
をみなご しめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて 翳りなきみ寺の春を過ぎゆくなり
三好達治が女学生をうたった詩です。こんな詩を書けた人をうらやましいと思いました。
達治は萩原朔太郎と恋人を争い、敗れてのち独り晩年を過ごしました。
私はこの詩に初恋を思い出します。遠く高校生の頃、セーラー服の女学生と待ち合わせて『卒業』を観ました。マストロヤンニの『ひまわり』も。暗い館内は天国でした。
『いしのうへ』という詩ですが、達治に現代のをみなごはどう映るのでしょう。